作り手が見える野菜スープになります。

規格外により捨てられる野菜について、「もったいない」っていうのが一番ですね。でもうちは、規格外とういう考え方をしていません。選別や包装を手伝ってくれるパートさん達の「曲がってたって味変わらないし、料理に使えるよね」という実感のこもった声もあり、自分で取引できるところなら出すようにしています。せっかく作った野菜を捨てるのはやっぱりつらいんですよ。

そんな岡田さんの想いに、「恋するスープ」も共鳴。スープに使われる野菜たちは、見た目ではなく“味”をしっかり活かせるようにレシピ開発されており、規格外の野菜たちもおいしさで勝負しています。

農業の現場は今、深刻な高齢化と人手不足の波の中にあります。そんな中でも岡田さんは、「障害のある方や高齢者でも関われる農業の仕組みを作っていきたい」と語ります。 「マニュアル化できるところはして、誰もが関われる農業にしたいんです。もちろん、全部を機械には任せられない。でも、野菜って人が地面に触れてるからこそ、おいしくなるっていうのもあると思うんです。」

畑で働くスタッフには、元福祉施設の職員さんも。人の手の温もりと、農業の現場がゆるやかにつながる未来を、岡田農園はすでに実践しています。

最後に岡田さんに「おいしい野菜をつくるのに、大事なのは？」とお尋ねした時、返ってきた答えはシンプルでした。 「手間暇と、愛情です。」栽培にかける時間、手間、そして野菜に注ぐ気持ち。それが、味としてちゃんと返ってくる――。 岡田農園のにんじんが、甘くて、みずみずしいのは、そういう理由があるのだと納得した瞬間でした。

「ちょっと面倒なことにこそ、価値があると思うんです。」 自然は我々に試練を与えますが、その計り知れない恩恵を受け、さらに農家さんによる幾たびかのお世話と愛情を注いがれ育った野菜。大切にいただきたいと思いました。